昔ながらの町の書店が、未来型情報ターミナルに進化し始めた!

30/01/2016 デザインと情報 / 町と住まいと

昔ながらの本屋さんは変わっていかないと厳しいなんて聞きますが、変化を実践中の書店がありました。本を売らなくなった書店が柔軟に変わっていく様が興味深いです。たまに行く近所の栄和堂さん。(内容は2016年1月時点の状況です)

40年続いた書店、栄和堂がリニューアル

シャッターを下ろした書店が、2ヶ月ほど経てカフェっぽい何かに変わり、シャッターを開けました。なに屋さんかな?と、なんとなく遠目に眺めていたある日、湘南経済新聞のニュース「閉店した鎌倉の書店、本で人をつなげるカフェ&バーとして再生」によって、書店のオーナーが亡くなられたこと、その後親族であるワダ親子が経営を継いだことを知りました。新しい本屋を模索していくんですって。どうも気になり、行ってみたのが年始早々でした。

最近イチオシの湘南モノレール脇にあります。オープン前にモノレール新型車両とパシャリ

屋号を継ぎ、懐かしさと新しさがブレンドされました

新しい栄和堂は、以前の看板や床、書棚、そして屋号そのものを残しました。中身は継がれて、進化していく、生きた継承リノベーションがここにあります。

栄和堂の屋号は残った。残してくれてありがとう

本を通じたコミュニケーションが進化します

最初コーヒーを注文し、歴史写真集を見ていました。「これ近所だね。おにいさんも近所?」と、親父さんとご近所ばなしがはじまります。息子店長さんも交えて、店のはなしや仕事のはなし。コーヒー1杯で1時間くらい話したでしょうか。目の前の本が話題を紡いでいきます。

今日の情報ターミナル、本屋4.0

これまでの本屋では、行けば興味を再認することができて、ひまを潰すことができました。自身の持つ情報や状況をアップデートするわけですが、その方法がちょっと栄和堂では変わって、ハッとします。

二度目の訪問ではビールをいただきながら、「一体この場はなんでしょうね」という話にもなりました。近所や本屋の今後。店長とデザイン思考の流行について、あーだこーだと話した流れだったか、前に書いた東京ドーム7個分の空き地の話にも。親父さんから聞いたことが気づきになっています。情報は生きてまわり出します。

本棚の造作は以前のままですが、中身は変化し続けていきます

昨今の4.0的なバージョンをつけるなら、栄和堂は本屋4.0。最近のツタヤでも組み合わせの妙はあるものの2.0か3.0くらい。栄和堂では、本を売りません。話題にあった本を勧めてくれるんです。で、売らないんですw。あくまでカフェ。気づきあるコミュニケーションを生んでいます。いろいろ話して、コーヒー後にビールも。まさに、本屋を継いだカフェバーです。ここは情報のターミナル。それが元本屋の今日のすがた。

なつかしい!学研シリーズは70-80年代のもの。店や地域に関わる多くの方からの書籍提供で本棚が生きています

富士フィルムは研究開発力で化粧品事業を始め、仁丹はカプセル技術をあらゆるジャンルへ活かしていきます。歯磨きのサンスターは、昔、自転車用ゴム糊を作っていたそうです。歯磨き粉チューブにもなるな、じゃぁ中身もつくってしまおうかと今に至ります。歯を磨くという行為を飛び超えるとしたらサンスターでしょう。事業は生きものと誰かが言いました。さて、栄和堂は少し前まで本を売っていましたが、今後どう変わっていくのでしょう。

ゆるく始めたら、何かが動き出しました

最初に会った際に「なんかここでやんない?」って言っていただいたものですから、そのうちなんかやりましょうね。何やるんでしょうね。みんなで「ペチャクチャ*マイブーム」しましょうか。情報ターミナルとして、ありかと思います。おもしろい人たちは既に集まりだしているんですもの。

そうそう、親父さんとの話にあった、冨山和彦著「なぜローカル経済から日本は甦るのか。GとLの経済成長戦略」を、Kindle版で買っちゃいました。元書店で勧められ、アマゾンで買うという流れ。何だかそれもあたらしい。その時本屋がはじめた商売とはなんでしょうか。世代をつなぐものは何でしょうか。

つづく!

*ぺちゃくちゃ(英: PechaKucha)は、プレゼンテーションの形式。ぺちゃくちゃでは、講演者は、20枚のスライドを1枚あたり20秒使ってプレゼンテーションを行う。通常、ぺちゃくちゃないと(ペチャクチャナイト、英: PechaKucha Night)と呼ばれるプレゼンテーションイベントで行われる。Wikipedia