[10枚でプレゼン] 湘南方面に東京ドーム7個分の空き地あります。オリンピックまで駐車場から始めませんか?

20/01/2016 デザインと情報 / 町と住まいと

先日書いた湘南モノレール愛に引き続き、沿線のおはなしです。湘南深沢駅脇に、広大な空き地「鎌倉市深沢地域整備事業用地」があります。今は何もありません。多視点性、期限づけ、連携整備、具体策の見せ方…どこにでもある問題が、見事に集まってしまったのかも知れません。

学校誘致?ショッピングモール?公園?分譲住宅?いずれ何かしらが実現するのだろうと、旧国鉄団地が解体される風景を遠目に見ていました。3〜4年近隣に住んでいまして「ショッピングモール住宅公園」のような、全部入りができるであろうことを噂には聞いていました。ところがどうやら計画は一旦停止。さかのぼれば、1993年から市民参加によるまちづくり議論が行われているそうです(20年以上!)。旧態依然とした進め方は、今の時代は難しいようです。小さなギアを丁寧に回して、具体的に絵を描いて、精度の高い見える化で紡いでいかないと。一発ドーーンみたいな大きなものは上手く動かないでしょうね。必要なのは強烈なトップダウンか、あるいは相当な調整力か、共創パワーか。なんだか普段の仕事と変わらぬような問題がどこにでもあります。

疑問に思わないと、見えないことは見えぬまま

駅前の浅野屋さんで、そばをずるりといただきながら、壁に貼られた近隣の茅葺き時代の写真を見ていました。市内をランニングや自転車で走りながら、無心になるとどうも空き地が気にかかりました。目にすれば多くのことを感じてしまうもの。僕にとっては様々なスケールの問題を今後どう考えていくかの自問自答のトライアル。妄想からはじまることはよくあります。「考えるスイッチ」を考える。是非ご覧ください。

  • 空き地が周囲でも増えているなか、大きな宅地は必要だろうか
  • 無駄なハードをつくらない。ソフトでできることは多い
  • 周囲との関係が全て。既存インフラを活かせ
  • 渋滞は前世代の失策。車に向いていない街

昨今の経緯を地域の書店的カフェである栄和堂さんで伺いました。最近も署名運動があったそうです(すみません知らなんだ)。知れば結構重度な噂の現場のようでして、喜んでそういう番組が来ちゃいそうです。市と地権者と住民との溝は深そう。回覧板では見えてきません。ウェブでも見えてきません。恐らく知らないだけで計画の状況はもう少し具体的に進んでいるかも知れません。よくわからない状況なのです。複雑なことを複雑に見せることがどこにでも蔓延しています。この規模の問題には特に誰もが触れづらいですよね。触れちゃいけないのかなぁと思いながら書いています。見えない具合が少しずつ見えてくるきっかけは、たまたまの関心しかありません。複雑な問題は、目の前だけを見るのも、見えないふりもだめだと自戒であります。

リアルな問題とヴァーチャルの問題がニアミスする

別の目で見てみましょう。スライドは、実はウェブでも意識していることの置き換えです。デザイン的な考え方の根幹は、ウェブだから、リアルだから、という環境によりません。関わる人たちと創る、それがあたり前。リアルとヴァーチャルとが影響を与え続けます。

  • 過去と未来の状況を見て、情報を最適化し続ける
  • 無駄なハードは不要。ソフトやサービスとあわせて解決する
  • グローバルと個の関係も部署の関係もリアルの縮図だ
  • インフラの変化。スマホでサクサク見れる時代にいる

コミュニケーションを変えていかないと変わらない

もうひとつの目で、普段のしごとに置き換えてみます。「何か変えなきゃ。新しい何かをつかみたい」というときに、目の前の問題をうやむやにしてしまうと、うまいこと進みません。短期的な問題と長期的な問題、近くのこと遠くのこと、ネットとリアル、表と裏、内と外、大と小、結局つながっています。企業も、地域も、個人もね。一定の息切れしない未来の視野も必要です。専門じゃないですが、フィリップ・コトラーのマーケティング4.0はドンピシャな今ですね。自己実現を目指すとされる時代。個人が強い時代となり、企業や行政がサービスを求められる。一方的な広告宣伝手法はもはや通用しなくなる。多くのできごとに絡んできています。

そもそも何?と共考する。課題への参加方法も変わる

例えばワークショップをやりましょうという際に、参加者にとって何がモチベーションになり得るか。問題があれば解決したい、やってやろうじゃないか、それがデザインのモチベーション。強制的な参加もあれば、メリットやリターンを求める方もあります。なんとなくみんなでふわっと楽しくという方もいます。次世代を問うとき、何故その場に参加するのでしょう。その時に還元されるべきものは何でしょうか。僕には僕の、みなさんにもみなさんのモチベーションや違和感があります。新しいデザイン、新しいビジネス。とりあげたまっさらな土地では、歴史や周囲の問題を受けてどう動いていくのでしょうか。

大きな空き地を見ていたら話が大きくなっちゃいました。次回はきっと小さなおはなしです。

最後に取り上げた土地について、公開されている情報をまとめておきます。かつては旧海軍の土地。JR東日本の旧工場が、2006年2月まで業務を行っていました。鎌倉市は、周辺地域を含めた32.5haを総合整備し、鎌倉駅周辺と大船駅周辺と並ぶ第三の拠点とする構想を持ったのですが、跡地の汚染対策費と建物解体費の合計が売却予定額を数十億上回るという結果に。鎌倉市とJR東日本の間で協議を続けていましたが、土壌処理を2012年から2014年にかけて実施することとなりました。2015年いっぱいかけて、更地ができたのです。

参考
鎌倉市 深沢地域周辺地区のまちづくり
神奈川県 平成24年度 村岡・深沢地区拠点づくり検討調査(PDF)